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QNED技術分析レポート

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2020年 11月 15日

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レポートご紹介

今回の報告書は、サムスンディスプレイがQNEDに関連して出願した特許の中で、2020年10月2週目まで公開された94件を精密分析した内容で構成されている。上半期には41件の QNED 特許を分析した。追加で確保された特許では、驚くほどの技術的な進歩が確認された。

Backplaneは7T2C TFTであり、nano-rod LEDを配置するためのoscillatorとリペア用トランスジストが一緒に配置されていると見られる。 QNED回路はモバイル機器用OLEDに使用されるTFTと同様の構造で構成されていた。QNEDも電流駆動素子であるため正確な制御が必要と思われる。大型OLEDは3T1C構造を使用している。

今回追加で確認された内容の中で最も目立つ内容は整列用トランジスタ(oscillator)が内蔵されている点である。Nano-rod LEDはインクの状態でパネルにプリントされ、パネルに印加される電界によって遺伝泳動力で整列される。この時、整列波形に基づいてnano-rod LEDの配置数と画素収率が決定される。Oscillatorは、これまでのディスプレイには使用されなかった技術である。

QNEDに関連して専門家の間で懸念していたのは収率である。画素内に10〜20個程度配置されるように見えるnano-rod LEDはすべて電気的に接続されているので、nano-rod LED自体の欠陥や整列不良によって画素のショートが発生することができる。サムスンディスプレイはこの点を解決するために、シリアル/パラレル混合の接続配線構造と、配列されているnano-rod LEDに問題が発生した場合にすぐに解決することができるリペアトランジストを配置した。Backplane製造技術は以前に予想していた構造よりもはるかに複雑であるが、事業性に直接関連する歩留まりを確保することができる技術が内蔵されていることが確認された。

このレポートには、nano-rod LEDインクの溶媒に関連する特許を収録した。Nano-rod LEDを分散させるために必要な条件と噴射された後、整列がよくなるためには粘度の調節が重要な技術である。サムスンディスプレイはプロセスの中で溶媒の粘度を変えることができる画期的な技術を使用していた。

加えて、インクジェット装置の構成について詳細に説明した。インクジェット装置はnano-rod LEDインクを噴射するユニットと噴射されたインクの位置と量を検査するモジュール、配置されたnano-rod LEDの数をセンシングするユニットで構成されていた。また、インクジェット装置は各工程で評価された結果を分析して、再びインクジェットユニットにフィードバックし、インクの粘度や量、インクジェットヘッドの位置などが変更できる技術で構成されていた。

サムスンディスプレイはQNED特許を2016年から出願し始めた。技術開発期間は4年に過ぎないが、2019年までに出願された特許として確認された技術水準は2021年に量産設備を投資しても構わない位のレベルまえ至っていると予想される。

ディスプレイの専門家であれば、本報告書で分析した内容のみでもQNED技術の完成度が量産に近づいていることを知ることができるだろう。

目次

概要

1.サムスンディスプレイの大型ディスプレイ事業の方向
1.1 TV用大型OLED事業推進現況
1.2 LCD事業撤退とQD-OLED事業推進
1.3 QD-OLEDの構造と製造技術
1.4 QD-OLED vs WRGB OLED
1.5 QNED出現

2. QNED特許分析の結果
2.1 QNED特許定量分析
2.2 QNED核心技術と関連項目

3.QNED概要
3.1 QNED構造
3.2 QNED発光原理
3.3 Nano-rod LED
3.4 Nano-rod LED整列原理

4.Nano-rod LED構造と製造工程
4.1 Nano-rod LED構造
4.2 Nano-rod LED製造工程
4.3 Nano-rod LEDの損傷防止

5. Nano-rod LEDインク
5.1 Nano-rod LED溶媒
5.2 分散剤
5.3 光分解性官能基
5.4 素子配向基

6.TFTの構造と製造工程
6.1 QNED用TFTの構造
6.2 TFTの製造工程

7. Pixel構造と製造工程
7.1 Pixel構造
7.2 Pixel製造工程

8. QD-CF構造と製造工程
8.1 QD-CFを使用する理由
8.2 QD-CF構造
8.3 QD-CF製造工程
8.4 その他のQD-CF構造

9. Assembly
9.1 Panel構造
9.2 Panel Assembly工程

10. 回路構造
10.1 QNED用回路
10.2 駆動回路
10.3 配線回路

11. 電極構造解析
11.1 電極の種類
11.2 主電極
11.3 整列電極
11.4 Contact電極
11.5 Floating電極
11.6 反射電極
11.7効率的な電極配置構造

12. 絶縁層構造解析
12.1 絶縁層の種類と役割
12.2 整列機能絶縁層の形
12.3整列機能絶縁層の厚さと配置数

13.隔壁構造解析
13.1 隔壁の機能
13.2 隔壁形状

14. Bank構造解析
14.1 Bankの構造と機能

15. Nano-rod LED整列技術
15.1 Nano-rod LEDインクと整列過程
15.2 Nano-rod LED整列波形
15.3 Nano-rod LED整列回路
15.4 Nano-rod LED整列回路工程
15.5 Nano-rod LED整列回路と素子構造
15.6 Nano-rod LED整列向上技術

16. 光効率向上技術
16.1 光取り出し技術
16.2 光取り出しレンズ
16.3 反射膜
16.4 反射パターン
16.5 遮光層
16.6 高効率Nano-rod LED構造
16.7 その他のNano-rod LED配置構造

17. リペア技術と歩留まり向上
17.1 ピクセル不良
17.2 リペアトランジスタ
17.3 レーザーリペア
17.4 リペア用導電パターン
17.5 リペア用連結パターン

18. インクジェット装置
18.1 インクジェット装置の構成
18.2 インクジェットプリンタユニット
18.3 センシングユニット
18.4 電界印加モジュール

19. 7T2C TFT構造とプロセス
19.1 7T2C TFTとpixel回路構造
19.2 7T2C TFTとpixel平面構造
19.3 7T2C TFTとpixel断面構造
19.4 7T2C TFTとpixelの製造工程

 

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